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木造住宅における耐震性について弊社ソフトで想定検証

木造住宅における耐震性について弊社ソフトで想定検証
~もし、木造3階建狭小住宅(ペンシルハウス)で、2割偽造があったら大丈夫?~

よみうりテレビ『ニューススクランブル』でホームズ君「耐震診断Pro」が紹介されました。

ホームズ君「耐震診断Pro」の詳しい情報はこちら

構造計算書の偽造事件が、連日、新聞やテレビを通して大きく報じられております。

関連して、マスコミやユーザー様から多数問合せをいただきましたので、木造住宅の耐震診断について、また、木造住宅において同様の偽造があった場合について、どのようなことが考えられるのか、また、それらを防ぐための対応をご紹介させていただきます。

構造計算とは?

構造計算とは、建築物が荷重や、外力に対して、安全であるかどうかを確かめるためのものです。荷重や外力が加わることにより建物に生じる力と変形が、どの程度であるかを計算し、それによって建物が倒壊しないことを確かめるといったものです。

地震については、一定の力を想定して、それに耐えるような構造にするわけですが、基準法も、予想を超える地震による被害が出るたびに、改正されてきました。

計算の方法には、①許容応力度計算、②限界耐力計算、③時刻暦応答計算、④国土交通大臣が定めた構造計算などがあります。ただし、これらは、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造などで行われる方法で、木造住宅(ただし、木造3階建ては除く)では、上記のような構造計算は義務付けされていません。

木造の耐震性とは?

では、木造住宅では、どのような計算が行われているのでしょうか。それは、建築基準法令46条で定められている"構造耐力上必要な軸組みなどの基準"です。

この基準は、軸組み長さ(壁量)を計算します。壁または筋交いを入れた軸組み(耐力壁)の長さが、各階の床面積および見付面積に応じて算出された構造耐力上必要な壁の長さ(必要壁量)以上にならなければいけません。さらに、これらの軸組みが釣り合いよく配置されるための基準が告示(平12建告1352号)で定められています。そして、筋交いの端部が軸組みと緊結され、かつ、筋交いの取り付く柱と土台が金物で緊結されていなければ、地震時に筋交いが有効に働きません。

以上からわかりますように、壁と筋交いの量と位置、それらの接合方法が、木造住宅の耐震性では重要なポイントとなっています。

もし、2割偽造があったとしたら

木造住宅の耐震性で重要な要素である、壁と筋交い(耐力壁:地震に対抗する壁)が、設計と異なる施工がなされた場合、その住宅の耐震性は、きわめて大きな影響を受けます。

その影響度合いを知っていただくだめに、仮に耐力壁が基準より2割程度不足している(設計や施工の不備による)場合を想定して、弊社耐震診断ソフト"耐震診断Pro"でシミュレーションしました。シミュレーションに採用したのは、都市部でよく見られる通称ペンシルハウスと呼ばれる、狭小敷地に立てられた木造3階建て住宅です。

地震前

地震後

当たり前ともいえますが、設計基準を満たしていない建物(耐力壁が基準より2割少ない)では、耐震性はほとんど確保されません。新築だからといって、最近の建物だからといって、安心できません。

専門家の間では構造計算を必要とする木造3階建住宅において設計や施工の不備を指摘する声もありますが、基準より多少の余裕を持った設計と確実な施工が重要といえます。

偽造を見抜くためには

このような偽造を見抜く手段はあるのでしょうか?

新築であるならば、壁量計算書を販売業者あるいは施工業者に求めましょう。この計算書が無いようでは、非常に危険です。既存住宅では、確認申請時の資料として、壁量計算書が添付されていることがありますので、これを確かめてください。ただし、ここまでは、あくまで設計上耐震性が確保されているかどうかしか確認できません。実際に建物が設計書どおり施工されているかどうか確認しなければなりません。そのためには、専門家による耐震診断を受けるのがよいでしょう。

自治体の補助による診断も急速に増えています。お住まいの自治体の建築行政担当や建築士の団体に相談してみてください。このときの注意点としては、耐震診断にも、簡易診断から精密診断まであり、簡易診断は、非常に大雑把なものです。診断の手間や費用の問題から、簡易診断がまだ多くの地域で採用されているようですが、お勧めできません。精密診断は、住宅の現地調査を行い、建築基準法の考え方(壁量、位置バランス、接合金物仕様)に基づいたチェック項目により詳細に診断します。最新の大地震の知見もとりいれられており、最近の振動実証実験でも、その診断方法の確からしさが実証されています。ですから、多少調査費用がかさむかもしれませんが、簡易診断でなく精密診断をお勧めしたいところです。

以上で、簡単に、木造住宅の耐震性の考え方と適切に設計・施工が行われなかった場合のリスクと対応方法について、ご紹介しました。施主の方はもちろんのこと、設計に関わる方から、施工に関わる方、それぞれに木造住宅の耐震性について理解を深めていただくことで、設計不備や施工によるトラブルを少なくすることにつながるのではないかと考えています。一方、私たちは、ソフトウェア開発業者として、信頼のある計算結果をご提供できるよう、ソフトウェアの第3者による評価取得も積極的に取り組んでいく考えです。

最後になりましたが、住宅は、命にかかわる大切な資産です。安心な耐震設計住宅が供給されることを期待し、今後も、木造住宅の耐震性に関わる情報の掲示を積極的に行っていく予定です。なお、ご意見、ご感想は、info@integral.co.jpまでお寄せください。

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