「よくわかる木構造」トップ ≫ 中古住宅性能表示制度

中古住宅性能表示制度

1.2002年8月より中古住宅性能表示制度スタート

平成12年(2000年)の住宅性能表示制度のスタート時には、新築住宅だけを対象としていましたが、2002年8月に既存住宅を対象とした性能表示制度についての基準類が公布・施行されました。
これにより、「住宅性能表示制度」は、新築・既存を問わない、すべての住宅を対象とした制度となり、新築の制度を利用した住宅が、数年後に既存の制度も利用できる環境が整いました。

2.中古住宅性能表示制度の概要

(1)制度の目的

新築住宅に適用されている第三者の評価・表示制度を、これまで明確でなかった中古住宅の性能評価にまで対象を広げ、既存住宅流通の活性化を促します。

(2)表示項目(新築住宅と中古住宅の表示項目の違い)

評価の対象となるのは新築住宅の9分野29項目のうちの9項目です。新築時に建設住宅性能表示評価を受けた住宅については21項目を評価します。ただし、既存住宅の状態で最も知りたい項目、劣化対策、省エネルギー対策、ホルムアルデヒド対策、全般換気対策、音環境については、「既存住宅評価になじまない」「評価が困難」といった理由で、現時点では採用されていません。
新築住宅の表示事項

既存住宅の 表示事項

構造の安定に関すること(6)
火災時の安全に関すること(7)
劣化の軽減に関すること(1)
維持管理への配慮に関すること(2)
温熱環境に関すること(1)
空気環境に関すること(4)
光・視環境に関すること(2)
音環境に関すること(4)
高齢者などへの配慮に関すること(4)

( )内は表示可能な項目数
一部選択制のものがあります。

既存住宅(中古住宅)の表示事項 表示事項の解説

現況検査により認められる劣化等の状況に関すること
部位等・事象別の判定
現況検査に関わる特記事項
総合判定

特定現況検査により認められる劣化等の状況 腐朽等・蟻害
構造の安定に関すること(6) 地震などに対する強さ
火災時の安全に関すること(7) 火災に対する安全性
維持管理への配慮に関すること(2) 配管の清掃や取替えのしやすさ
空気環境に関すること(4) シックハウス対策・換気
光・視環境に関すること(2) 窓の面積
高齢者などへの配慮に関すること(4) 高齢者や障害者への配慮
設備に関わる基本事項に関すること
その他の特記事項に関すること
検査・評価結果説明書

( )内は表示可能な項目数(新築時評価住宅の場合)
一部選択制のものがあります。

3.考えられる影響

(1)目視検査の正確さ

第三者の共通の「ものさし」で評価するものの、その検査方法は「目視」を中心にしたものです。
しかし、目視では、当該中古住宅の構造安全性や劣化度合い・程度に関する情報が十分に正確でない場合もあり、住宅購入者の判断を混乱させてしまいかねません。

中古住宅性能表示制度としては、単に目視検査を主体とした制度としてではなく、それ以外の的確な検査を行った上で、構造安全性・劣化度合い・程度について評価・表示する方法も考えていかなければなりません。

(2)施工者の責任

この制度の主な利用者は、不動産業者や消費者です。例えば、ある建主がこの制度を使って、住宅性能の不具合を発見した場合、今後、様々な問題が生じることが考えられます。
『施工者はその責任をとるべきなのか、さらに、その不具合を補修すべきなのか。』
「性能抜群」として契約した家の構造性能評価に不具合があった場合、大変な問題に発展しかねません。過去の物件が検査・格付けされるということは、信頼ある性能評価を提供することが必要となります。


本ガイドは、国土交通省住宅局住宅生産課監修、(財)日本住宅・木材技術センター発行による 「木造住宅性能表示制度マニュアル」を参考に作成しております。