地震被害調査 平成16年(2004年)新潟県中越地震

新潟県中越沖地震の被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

地震概要(気象庁速報値)


※震度6弱以上のもの
(1)本震
発生日時 2004(平成16)年10月23日 17時56分頃
震央 新潟県川口町(北緯37.17度、東経138.52度、深さ13㎞)
地震の規模 (マグニチュード)6.8
(2)余震(平成16年10月23日 他2回)
発生日時 20072004(平成16)年10月23日 18時11分頃
地震の規模 (マグニチュード)6.0
(3)余震(平成16年10月27日)
発生日時 2004(平成16)年10月27日 10時40分頃
震央 新潟県広神村(北緯37.17度、東経139.02度、深さ12㎞)
地震の規模 (マグニチュード)6.1

〔被害の状況〕
地 震動は、川口町で震度7、小千谷市で震度6強、十日町市、中里村、長岡市、栃尾市、三島町、越路町、川西町、刈羽村で震度6弱が適用され、また最大加速度は1750ガルを記録し(防災科学技術研究所の観測による)、阪神大震災で記録した818ガルを大きく上回り、きわめて強い揺れを示した。
また人的被害として死者40人、建物の被害としても全・半壊2,656棟(いずれも、2004年11月12日現在)に及んだ。かつ、鉄道・高速道路等の被害も甚大で新幹線においては、上越新幹線が越後湯沢―新潟間にて新幹線開業以来初めて脱線し、新幹線の安全対策の死角を覗かせるものとなった。 本地震は、「新潟県中越地震」と呼ばれることになった。

調査概要

新潟県小千谷市及び川口町にて新潟県中越地震の調査を行いました。
調査にあたっては、主に木造住宅を中心に、地震による被害の状況の把握及びその特徴と被害を受けた原因の分析を目的としました。
今後、今回の調査を踏まえより詳細に木造住宅の被害要因の分析を行なう予定です。

第1次調査(新潟県小千谷市地区)

調査日 2004年10月27日(水)及び2004年11月6日(土)
調査地 新潟県小千谷市 東栄町、元町、本町、城内町、船岡町
調査者 柳澤泰男他1名
写真及び詳細 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

第2次調査(新潟県川口町地区)

調査日 2004年11月6日(土)
調査地 新潟県川口町、川口町役場周辺、西川口地区
調査者 柳澤泰男、坂本憲一郎、木村良行
写真及び詳細 [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

新潟県中越地震調査報告

調査結果と考察

地震動は、川口町で震度7、小千谷市で震度6強という、阪神・淡路大地震と同程度以上のきわめて強い揺れを示した。にもかかわらず、家屋の倒壊が少なかったのは、豪雪地帯という地域性による積雪を考慮した建築であったためといえる。
中越地方の建築基準法上構造計算をする場合の積雪量は、3mである。
雪のほとんど降らない地域と比べると、屋根荷重は4倍から5倍となる。
この荷重に耐えるため、当然ながらおのずと、構造的に高い耐震性を備えていたといえる。
実際、最新の知見による耐震診断法においても、地震に対して必要とされる必要耐力は、3割から4割増しとなる。耐震診断の結果も4段階のなかで、2段階から場合によっては3段階、つまり「倒壊しない」と「倒壊する可能性が高い」の差が出ることもある。
そういう意味で、今回の地震が雪のない時期であったというのは不幸中の幸いと言える。

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