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木造住宅をめぐる動向

木造住宅をめぐる動向 - 記事詳細

国土強靱化基本計画を閣議決定/計画的な公共投資に期待/強靱化展開モデルに15団体

 政府は3日、国土強靱化基本計画を閣議決定した。南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大規模災害が発生しても、人命を保護して被害を最小化し、迅速な復旧復興を可能にすることなどを基本目標に掲げた「国のリスクマネジメント」の大方針が定められた。毎年度策定するアクションプランに基づき、耐震化の推進やハザードマップの作成といったハード・ソフト対策が総合的に講じられることになり、ハード対策の大部分を担う建設産業界にとっては、計画的・安定的な公共投資の確保など、将来を見通せる市場環境の形成につながることが期待される。今後注目されるのは、都道府県や市町村が作る地域強靱化計画の行方。政府は国土強靱化の全国展開を図るため、地域計画の策定ガイドライン案を併せて公表したほか、先行的に計画づくりに取り組むモデル団体も選定した。
 基本計画は、防災や国土形成、社会資本整備など国土強靱化に関するさまざまな計画の指針として、それらの上位に位置する「アンブレラ計画」となる。住宅・都市分野であれば密集市街地の火災対策、エネルギー分野では地域間融通能力の強化というように、施策分野ごとの推進方針などを打ち出している。
 また、特に配慮すべき事項として民間投資の促進や市町村への適切な支援なども明記。防災・減災に関する専門的な知識や技術を持つ人材の育成・確保にも言及している。
 基本計画の内容はおおむね5年ごとに見直すが、別途、具体的な数値目標などを設定した国土強靱化アクションプランを毎年度作る。例えば、住宅の耐震化率を2020年度までに95%、海岸堤防の整備率を16年度までに66%に引き上げるなどの目標を明確にし、重点プログラムの確実な進捗を図る。
 国土強靱化基本法には、地方公共団体が国土の強靱化を推進する責務も定められている。都道府県や市町村が策定する地域強靱化計画は、国の計画の下に存在するのではなく、地域特性などに応じた同列の計画。つまり、国と地方の各計画が両輪となって、国土全体を強靱化していくことになる。すべての都道府県で速やかに地域計画が作られ、できる限り多くの市町村で策定されることが望まれる。
 ガイドライン案は、部局横断的な調整を図る観点から、総合調整や取りまとめを行う強靱化担当部局の設置などを推奨。災害はいつ起きるか分からないため、長期的な視野を持ちつつ、「次の1年でどこまで成果を上げることができるか」という短期的な視点を持ちながら、施策の実施と計画の進捗管理を行うことが肝要としている。民間の団体や企業などとの連携・協力も求めている。
 地域計画の普及・拡大には、参考となる事例の創出が効果的だ。内閣官房国土強靱化推進室は基本計画の閣議決定と併せ、14年度内に地域計画をモデル的に作成するに当たり、専門家の助言などの支援を希望した都道府県・市町村の選定結果を発表した。
 応募のあった28件の中から、第1次の実施団体として、▽北海道▽千葉県旭市▽東京都荒川区▽新潟市▽山梨県▽岐阜県▽静岡県▽愛知県・名古屋市▽和歌山県・和歌山市▽徳島県▽高知県・高知市▽長崎県--の12件を選んだ。今後も順次、第2次支援団体などを決定していく方針だ。計画の作成過程で得られたノウハウなどは全国の自治体に広く提示、共有する。


(2014/6/4 建設通信新聞 )