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木造住宅をめぐる動向

木造住宅をめぐる動向 - 記事詳細

98%が旧耐震基準 阪神大震災、犠牲出た木造住宅

 六千四百三十四人が死亡した一九九五年の阪神大震災。死因の九割近くは家屋倒壊などによる圧死だったが、震災後の調査によれば、死者が出た木造住宅の98%は旧耐震基準で建てられていた。すべての住宅で耐震化が進んでいれば、犠牲者ははるかに少なかった。十七日で、震災から二十年。

 木造住宅の建築年数と死者の関係を調べたのは、神戸大大学院で当時、建築学を専攻していた藤江徹さん(42)。震災翌年の九六年、神戸市内の死者で住所が特定できた三千五百七十人の遺族へアンケートを送った。当時としては最大規模の調査だった。

 千二百十八人分の回答があり、その中で死者が出た住宅は九百九十四戸。構造や築年数が判明したうち、95%が一戸建てや長屋などの木造で、鉄筋などは5%だった。築年数で見ると、震度5強程度の揺れに耐えることを基準とした八一年以前の住宅で死者が集中。建築基準法改正で、震度6強の揺れにも耐える新耐震基準で建てられた八一年以降の住宅では、死者が出た割合は2%未満だった。

 藤江さんは九七年、調査結果を学会で発表した。当時は注目を集めなかったが、震災二十年が近づいた昨年、地元メディアが取り上げ、再評価されるように。行政や警察、建築団体が死因や建物の被害を個別に調べた資料はあるが、それらを関連づけたデータは少ないため、貴重な資料となっている。

 現在、公害問題に取り組む「あおぞら財団」(大阪市)で事務局長を務める藤江さんは「阪神大震災では住宅が人を殺したということ。耐震化で生死の確率が劇的に変わる。亡くなった人の無念を次へと生かしてほしい」と話す。

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 当時、戦後最大の犠牲者をもたらし国民に衝撃を与えた阪神大震災は、住宅の耐震化や家具の固定化、ボランティアの重要性なども同時に伝えました。中部地方は近い将来、南海トラフ地震が起きるとされ、いわば「災前」の時期にあります。防災面「備える」などで今後、阪神大震災など過去の「災後」から災害前に取るべき策、「災前の策」を考えていきます。


(2015/1/5 中日新聞Web )