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木造住宅をめぐる動向

木造住宅をめぐる動向 - 記事詳細

住宅耐震化率は82% 震災後も進まず 13年推計

国土交通省が2013年の全国の住宅耐震化率を推計したところ、82%と08年に比べて3ポイントしか上昇していないことがわかった。耐震性のない住宅は約900万戸に上った。国は住宅耐震化率を15年に90%にする目標を掲げるが、達成は難しい状況になっている。

 住宅の耐震化率は、5年ごとに行われる国の住宅・土地統計調査を元に推計されている。13年分の同調査の結果が今年2月に確定したため、国交省が推計値を出した。13年の住宅総戸数約5200万戸(集合住宅含む)のうち、耐震性があるのは約4300万戸。耐震化率は約82%と推計された。

 東日本大震災後でも耐震化率が急上昇しなかった。13年までの5年間で、建て替えにより約105万戸、耐震改修で約25万戸が耐震化された。しかし、耐震改修は08年までの5年間は30万戸で、5万戸少なくなった。国交省によると、想定より耐震改修が進んでいないのは、景気低迷や、高齢者世帯を中心に費用負担が大きいと感じていることなどが背景にあるという。

 住宅の耐震化は、津波以外の死者数を減らす最も有効な方策とされ、国は「2015年までに少なくとも9割、20年までに少なくとも95%」という数値目標を掲げている。

 昨年3月に国が決めた南海トラフ地震の「防災対策推進基本計画」でも、住宅の全壊数を半数にとどめるため、同様の数値目標を盛り込んだ。住宅の耐震化率を90%にすることで、南海トラフ地震の建物倒壊による死者を4割、約1万7千人減らせると試算する。

 一方、都道府県もそれぞれに耐震化率を推計し、目標を掲げている。住宅・土地統計調査などに基づき13年の推計結果を出した31府県のうち、15年または15年度末の目標まで10ポイント以上の差があるのは青森、秋田、茨城、兵庫、広島、佐賀、鹿児島など15県に上った。目標まで10ポイント差がある茨城県の担当者は「今年度末までの達成は現実的に難しい」という。97%と高い目標を掲げる兵庫県も目標達成は難しいとしている。

 国交省建築指導課建築物防災対策室は「15年の目標達成はかなり難しい。子の家族と同居することで建て替えが進むと思ったが、高齢者だけの世帯が増えて耐震化が進んでいない」という。ひとり暮らしの高齢者世帯は03年に約341万世帯だったのが、13年は約573万世帯に増えている。

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 〈住宅の耐震化率〉 建築基準法施行令が改正されて耐震基準が強化された1981年を境に、それ以前の建設で新基準を満たさず耐震改修をしていない住宅を「耐震性なし」、耐震改修をした住宅や新基準を満たす住宅を「耐震性あり」として推計している。


(2015/08/31 朝日新聞DIGITAL )