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木造住宅をめぐる動向

木造住宅をめぐる動向 - 記事詳細

中古住宅購入時に補助金

政府は中古住宅を購入する際に必要なリフォーム工事の費用を、1件当たり最大で50万円補助する制度を創設する。欧米に比べて少ない中古住宅の取引を活発にし、深刻になっている空き家問題の解消につなげる。対象を40歳未満の購入者に絞り、若年層が使えるお金を増やして個人消費を底上げする狙いもある。

 24日に閣議決定する2016年度2次補正予算案の概要に、250億円の事業費を盛り込む。秋の臨時国会に提出し、成立すれば年内にも新制度が始まる。政府は少なくとも5万戸の利用を見込んでいる。

 補助の対象となるのは、自分が住むために中古住宅を購入する40歳未満の若年層だ。子育てなどに伴い可処分所得が少なくなる傾向にある若年層に狙いを定めて、住居費の負担を軽くする。

 リフォームの施工業者が中古住宅の購入者に代わって国の事務局に申請し、補助金を受け取って工事代を安くする仕組みを想定している。申請の際には、専門家が物件の傷み具合を判断する住宅診断(総合・経済面きょうのことば)を受けていることが条件になる。

 補助額は住宅診断にかかる5万円のほか、耐震補強や省エネ改修などリフォームの内容に応じて最大50万円とする。

 中古住宅のリフォーム費用は仕様や場所によって大きく異なる。一戸建てで1千万円を超すことが珍しくない一方、マンションでは数百万円の場合が多いとされる。

 全国的に増えている1千万円を切る中古物件を買うと、購入費よりも改修費のほうがかさみかねないので、政府はリフォーム費用を補助すれば若い層の購入意欲が高まるとみている。

 日本の住宅市場に占める中古の割合は15%程度にとどまる。7~9割の欧米に比べ著しく低い。新築志向が根強く、古い住宅をリフォームして使う習慣が広がっていないためだ。政府は中古住宅の市場拡大に向け、リフォーム市場を13年の7兆円から25年までに12兆円に伸ばす目標を掲げる。

 全国で820万戸に達する空き家対策にもつなげる。野村総合研究所は少子高齢化の進展で、33年に全国の空き家が2167万戸に増えると警鐘を鳴らしている。

 空き家が増えると住宅地が荒廃し、地域への悪影響が大きい。対策は急務となっている。

 国土交通省は今月末に示す17年度予算の概算要求に、20年間で資産価値がゼロとみなされる住宅評価の見直しや、空き家の情報を集めて住みたい人に提供する「空き家バンク」の充実といった対策を盛り込む。



(2016/8/21 日本経済新聞 )