外皮平均熱貫流率 UA値([改正]H28年基準)


外皮平均熱貫流率(UA値)は、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。
つまり、熱損失の合計を外皮等面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
建物が損失する熱量の合計[W/K] = A + B + C + D + E
損失する熱量 | ||||
---|---|---|---|---|
A | 屋根(天井)の熱損失量 | = 屋根(天井)のU値 | × 屋根(天井)の面積 | × 温度差係数 |
B | 外壁の熱損失量 | = 外壁のU値 | × 外壁の面積 | × 温度差係数 |
C | 床の熱損失量 | = 床のU値 | × 床の面積 | × 温度差係数 |
D | 開口の熱損失量 | = 開口のU値 | × 開口の面積 | × 温度差係数 |
E | 基礎立上りの熱損失量 | = 基礎立上りのU値 | × 基礎の外周長 | × 温度差係数 |
【温度差係数】
- 外気に接する壁、屋根、オーバーハング床:1.0
- 1階車庫の上階の床、車庫に接する壁:1.0
- 天井断熱の場合の天井:1.0
- 床断熱の場合の床:0.7

熱貫流率(U値)[W/m2K]の求め方
U値は熱の伝えやすさの指標です。建物内外の温度差1℃の場合において、1m2当たり貫流する熱量(U値)が小さいほど熱を伝えにくい、つまり断熱性能が高い部材といえます。
屋根(天井、外壁、床)のU値
部位の熱貫流率U[W/㎡K] ={(断熱部の熱貫流率U × 断熱部の面積比率a)+(熱橋部の熱貫流率U × 熱橋部の面積比率a)}÷面積比率の合計Σa
- 各部材の熱伝導率λと厚さdから熱抵抗値Rを算出。
例:柱・間柱間に充填断熱する場合
- 断熱部と熱橋部の面積比率a を求める。
- 簡略計算法
充填断熱、外張な断熱等の工法ごとに予め決められた面積比を使用。 - 詳細計算法
部位ごとに断熱部と熱橋部の見付面積を部材1本ごとに拾い算出。
- 簡略計算法
- 各部材の熱抵抗値Rからもとめた熱貫流率Uiと、面積比率a から、この部位(外壁)の熱貫流率Uを算出。

開口部のU値
以下4つの方法から、U値を決めます。
- JIS,ISOのいずれかによる値
- 簡易計算法により求める
- ポータルサイトから求める
- メーカーのカタログ等から求める
※国立研究開発法人建築研究所の技術資料から求める方法は使えなくなりました。
外皮等面積[m2]の求め方
外皮等面積は、熱的境界となる屋根(天井)・外壁・床・開口などの外皮、及び土に接する土間床の水平部を対象とします。 ※基礎の立上り(GLから400㎜以上の部分)は外壁面積として加算します。
外皮等面積 [m2] = 屋根(天井) 面積 + 外壁面積 + 床面積 + 開口面積 + 土間床面積
外皮等面積は、熱的境界となる屋根又は天井・外壁・床・開口などの外皮、及び土に接する土間床の水平部を対象としています。
※基礎の立上り(GLから400㎜以上)は面積として加算します。



【建物が損失する熱量、外皮等面積の計算に含む部位の一覧】
部位 | 屋根 (天井) | 外壁 | 床 | 開口 | 基礎 立上り | 土間床 |
---|---|---|---|---|---|---|
建物が損失する 熱量の合計 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
外皮等面積 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
▼熱貫流率(U値)
建物内外の温度差1℃の場合において1m2当たり貫流する熱量をワット(W)で示した数値です。
数値が小さいほど熱を伝えにくいことになり、断熱性能が高い部材です。
【主な部材と熱貫流率】
部材 | U値(W/m2K) |
---|---|
窓(アルミ樹脂複合建具:Low-E複層) | 2.91 |
外壁(高性能グラスウール16K105mm) | 0.43 |
床(高性能グラスウール24K80mm) | 0.45 |
▼温度差係数
部位が接する外気の区分によって係数が決まります。
外気 | 外気に通じる小屋裏 | 外気に通じる床裏 |
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1.0 | 1.0 | 0.7 |